米国とイランの戦争は、FICOスコアを1ポイントも下げていない。それでも全米の借り手は、数か月前なら取得できていたはずの住宅ローンや自動車ローンを断られるようになっている。
金融機関は、内部の審査基準を密かに引き上げ、与信審査項目を追加している。この変化は、消費者信用データの内容ではなく、原油高によるインフレと米連邦準備理事会(FRB)の方針不透明感を反映したもの。
今回の紛争により、世界の原油供給のおよそ20%が通過する要衝、ホルムズ海峡が混乱した。ブレント原油価格は直近の高値で1バレル120ドルを突破した。
エネルギーコストの上昇が2026年3月の米国インフレ率を3.2%に押し上げた。FRBの目標を大きく上回る。10年物米国債利回りは4.48%まで上昇。住宅ローン30年固定金利は、開戦以来5週連続で上昇している。
こうした金利上昇が与信審査にも波及している。銀行は地政学リスクを理由に、必要書類の増加や最低スコアの引き上げを進めている。
これまで問題なく通過していた審査案件も、再検討される状況。
特にFICOスコア640〜720のレンジにしわ寄せが集中する。この層には初めて住宅を購入する人や中所得層の借り手が多い。自動車ローンと住宅ローンが影響の中心。
同氏は、金融機関はこうした引き締めを公表することはほとんどないと付け加えた。ただ、現場で黙々と実行される。
金融市場では現在、2026年のFRB利下げ予想はゼロに。パウエル議長は原油による圧力が短期的に続くと示唆している。ホルムズ海峡の膠着状態が解消されるまで、借り入れ審査のハードルは静かに上がり続ける見通し。


