● イーサリアムは7%下落。ヴィタリック・ブテリン氏によるレイヤー2(L2)に関する発言をきっかけに、L2トークン全体で大規模な売りが発生した。
● L2トークンの時価総額は24時間で4億5000万ドル超減少。STXが2桁の下落率を記録し、下落を主導した。
● イーサリアムはAIに焦点を当てた新たな標準「ERC-8004」を公開。AIエージェントベースの経済インフラとしての位置付けを打ち出した。
ヴィタリック氏の最新発言がレイヤー2ネットワークに圧力
イーサリアム価格は2月5日に7%下落し、2025年8月以来初めて2100ドルを下回った。暗号資産(仮想通貨)市場全体が弱気基調にあるなか、イーサリアムの下落率はビットコインの日中4%下落を大きく上回り、ソラナ(SOL)やBNBと並んで時価総額上位10銘柄の中でも最も弱いパフォーマンスのひとつとなった。
今回の売りは、2月3日にヴィタリック・ブテリン氏がイーサリアムレイヤー2に関するロードマップや技術スタック全体について見解を示したことを受け、議論が再燃した直後に起きた。同氏の発言は、価値の由来、断片化、レイヤー2ネットワークの長期的な持続可能性をめぐる、かねてからの懸念を改めて浮き彫りにした。
プロトコルレベルの効率性やモジュラーのエグゼキューションを重視する同氏の姿勢は、価値の取り込みをイーサリアムのベースレイヤーに戻すことで、レイヤー2トークンの経済性を弱めているとの批判もある。
一方、Offchain LabsおよびArbitrumのスティーブン・ゴールドフェダー氏は、「スケールしたL1と繁栄するL2エコシステムは両立しない」というヴィタリック氏の主張は誤りだと反論している。
複数のアナリストは、構造的な変更が繰り返されることで、レイヤー2トークンに投資する投資家に不確実性をもたらしていると警告している。
一方でヴィタリック氏の支持者は、イーサリアムの現状には大幅な改善が必要だと反論する。Optimism創業者のカール・フローシュ氏も議論に加わり、カスタマイズ性と完全な分散化を可能にするモジュラー型L2スタックの構築がいかに困難かを強調した。
「ロールアップ向けのネイティブなETHプリコンパイルを実装すべきだと、文字どおりほぼ10年にわたって主張してきた」と、フローシュ氏はXで述べた。
〈イーサリアムレイヤー2ネットワークの時価総額は4億5000万ドル減少|CoinGecko〉
CoinGeckoのデータによると、レイヤー2ネットワークの時価総額は4日日中に6%下落し、48億ドルまで低下。24時間で4億5000万ドル超の価値が失われた。トップ10のレイヤー2トークンはいずれも下落し、3日のヴィタリック氏の発言が市場全体に及ぼした影響の大きさを示している。
なかでもStacks(STX)は12%下落し、下落率トップとなった。下落は、FireblocksがStacksネットワーク上でネイティブなビットコインDeFi対応を発表したことを受けた「材料出尽くし」の売りが背景にある。Polygon(POL)も3%下落し、チームはX上で、サイドチェーンへの移行の可能性を示唆する含みのある投稿で応じた。
イーサリアム、AI戦略を発表──トレーダーは「材料出尽くし」で売り
レイヤー2が過去24時間で4億5000万ドルの下落圧力にさらされる一方、イーサリアムは同時にAI(人工知能)分野への本格的な戦略を発表。4日にXで公開された長文投稿の中で、AIエージェントのための信頼と調整のレイヤーとしてイーサリアムを位置づける新しい標準「ERC-8004」を紹介した。
発表によると、ERC-8004トークン標準は、AIエージェントが自身を識別し、検証可能な評判を構築し、タスクを依頼・完了し、その対価をイーサリアム上で直接決済できる仕組みを提供する。
AIエージェント同士の発見方法、過去の実績評価、完了した作業の検証、支払いの受け取り方を標準化することで、ERC-8004は断片化しているAIエージェント間コマースの統合を目指す。
この標準では、アイデンティティ、レピュテーション、検証の3つのオンチェーンレジストリも導入され、AIエージェントがプラットフォームやアプリケーションを超えて、一貫した履歴を保持できるようになる。
この取り組みには、Ethereum Foundation(EF)、MetaMask、Google、Coinbaseなど、エコシステム内外の関係者が貢献している。
市場の反応を見ると、AI戦略を発表したX投稿から2時間以内に、イーサリアム価格は2180ドルから2100ドルへと急落した。これは、短期売買を行うトレーダーが、ボラティリティの高まりを利用して「材料出尽くし」の売りを進めていることを示唆している。
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