トランプ米大統領と一族が支援するDeFi(分散型金融)プロジェクトであるワールド・リバティ・ファイナンシャル(以下WLFI)が、外国為替・送金プラットフォームを立ち上げる計画であることがわかった。12日、ロイター通信が報じた。
WLFIの共同創設者であるザック・フォークマン氏は12日、香港で開催されたWeb3イベントConsensusで、新プラットフォーム「ワールド・スワップ」をまもなく開始すると述べた。フォークマン氏は、世界中で通貨間を移動する資金は7兆ドル(約1,000兆円)を超えていると指摘。その上で、既存の金融機関によって、これらの資金移動に対し多額の手数料が課されている現状を問題視した。
WLFIは、この課題に対し、ユーザーを世界中のデビットカードや銀行口座に直接接続するソリューションを提案している。これにより、競合他社が請求する手数料の「ほんの一部」のコストで、外国為替送金の決済が可能になるとしている。
同社は、より簡素化されたサービスと低い手数料体系を提供することで、既存の金融インフラに対抗する構えだ。これは、伝統的な金融機関が中心となってきた送金市場において、ブロックチェーン技術を活用した代替手段を提示する試みと言えるだろう。
また、同社は4週間前にレンディングプラットフォーム「ワールド・リバティー・マーケッツ」も立ち上げている。これは同社のステーブルコイン「USD1
USD1」の利用促進を目的とした動きの一環である。
フォークマン氏によると、このレンディングプラットフォームは順調な滑り出しを見せており、開始からわずか数週間で3億2,000万ドル(約490億円)の貸し出しと、2億ドル(約300億円)以上の借り入れを記録したという。
一方で、トランプ氏の政治的立場とビジネスの関係性については議論が続いている。昨年10月にロイター通信が報じたところによると、WLFIはトランプ・オーガナイゼーション(トランプ一族の企業)の収入急増を後押しした。
トランプ氏が米国の暗号資産(仮想通貨)政策を監督する立場にある中、同氏の家族による暗号資産事業の拡大は、利益相反にあたると政府倫理の専門家らは指摘している。これに対しホワイトハウスは、そのような利益相反の存在を否定している。
現職大統領が暗号資産政策の舵取りを行う中で、その親族企業が金融インフラ事業を拡大することは、公正な市場競争を阻害しかねない。ホワイトハウスは利益相反の存在を否定しているものの、政策決定と企業利益の関係性をめぐる議論は続いており、規制当局による監督のあり方が注目されるだろう。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=153.1円)
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USD1
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