3メガバンクグループなどが出資し、デジタル資産の発行・管理基盤を提供するProgmat(プログマ)が、セキュリティ・トークン(ST、デジタル証券)の基盤をR3の「Corda5」から「Avalanche L1」へ移行する。
大規模なシステム更新だが、単なる技術的な話ではない。グローバルで資産のトークン化、金融のオンチェーン化が進む状況を踏まえ、STを海外機関投資家、あるいは、DeFi(分散型金融)へ拡張するための大きなステップアップだ。
パブリックブロックチェーン技術を活用
Progmatはこれまで、技術基盤にパーミッションド(許可型)のCorda5を採用してきた。国内の不動産や債券を裏付け資産として、STの発行・管理するためには、規制への準拠とSTの発行体、アセット・マネジメント会社、証券会社などの国内プレイヤーが「安心して」市場に参加できる環境を整えることが何よりも重要だった。
一方で、イーサリアムブロックチェーンなどパブリックチェーンとの接続によるグローバルな流通や、DeFiとの接続は当面は想定されていなかった。
今回の移行では、まずST発行・管理基盤「Progmat ST」をパブリックブロックチェーン「Avalanche」を展開するAva Labsが提供する「Avalanche L1」に移行する。
Avalancheは、かつては「イーサリアムキラー」と呼ばれたブロックチェーンだが、現在は用途特化型の独立L1を構築できる基盤として存在感を高めている。イーサリアムブロックチェーンとの互換性(EVM互換)を保ちつつ、Avalanche上に、バリデーターを限定したり、AML/CFTなどのセキュリティ要件への対応を可能にした専用チェーン「Avalanche L1」を構築でき、金融機関での採用が進んでいる。
金融特化型L1の台頭
今、ステーブルコインUSDCを発行するCircleが「Arc」、決済大手のStripeが「Tempo」、さらにSBIとStartaleが「Strium(ストリウム)」を発表するなど、金融特化型レイヤー1(L1)ブロックチェーンを構築する動きが続いている。これらは、イーサリアムなどのパブリックブロックチェーンとの接続を意識する一方で、規制への準拠を図るものだ。
Progmatは、デジタル資産の発行・管理基盤であり、ブロックチェーンを提供するわけではないが、その背景は金融特化型L1の台頭と通じるものがあるだろう。
さらに、クロスチェーン対応を通じて、
●セキュリティ・トークン(ST)とステーブルコイン(SC)のDvP決済
●異なるSC間での同時決済
●他のチェーンで発行されたSTとの相互接続
を可能にする構想を示している。
今回のCorda5からAvalanche L1への移行は、日本のセキュリティ・トークン市場が新たな段階を迎えつつあることを象徴している。
なお、Progmat代表取締役 Founder and CEOの齊藤達哉氏は、リリースの公表と同時に、noteに「【速攻解説】金融システムのパブリックチェーン展開を加速する「インフラ大刷新」って、どゆこと?」と題して、詳細な解説を行っている。
|文:増田隆幸
|画像:リリースより
※編集部より:タイトル・本文を一部変更、追加して更新しました。2月26日8時54分

