SoFi Technologies, Inc.(SoFiテクノロジーズ)は、Mastercard(マスターカード)との提携を強化し、同社の米ドル建てステーブルコイン「SoFiUSD」をマスターカードのグローバル決済ネットワークにおける清算手段として導入すると発表した。SoFiUSDは、米国の国法銀行免許を持つ預金保険加入銀行が発行する初のパブリック・パーミッションレスブロックチェーン上のステーブルコインとされる。

今回の提携により、カードのイシュア(発行会社)およびアクワイアラー(加盟店契約会社)は、マスターカードを通じたカード決済の清算をSoFiUSDで行う選択肢を検討できるようになる。これにより、24時間365日の迅速な決済が可能となり、国際送金やB2B送金といった用途で資金移動の効率化が期待される。

SoFi Bank, N.A.(SoFiバンク)は、マスターカードネットワークを通じた自社のクレジットカードおよびデビットカード取引の清算にSoFiUSDを活用する予定だ。また、SoFi傘下のテクノロジープラットフォームGalileo(ガリレオ)も、決済カードを提供する顧客および発行銀行に対し、SoFiUSDによる清算オプションをいち早く提供する見込みである。

SoFiUSDは、米通貨監督庁(OCC)の監督下にあるSoFiバンクが発行し、現金によって1対1で完全準備されている。即時償還が可能な設計により、マスターカードネットワーク内の加盟店や発行体に流動性を提供する。

Mastercard Multi-Token Networkとの統合

SoFiUSDは、マスターカードのデジタル資産基盤「Mastercard Multi-Token Network(マスターカード・マルチトークン・ネットワーク:MTN)」でもサポートされる予定だ。MTNは、法定通貨、ステーブルコイン、トークン化預金などを接続するプラットフォームであり、従来の通貨とデジタル資産の相互運用性を高めることを目的としている。

両社は、ステーブルコイン、法定通貨、トークン化資産間の相互運用を活用した追加ユースケースの検討も進める。プログラム可能な財務管理や新たな資金移動・支払いシナリオなどが視野に入る。

ステーブルコイン市場の拡大

ステーブルコインはグローバル金融において急速に存在感を高めている。1日あたり約300億ドル(約4兆6500億円、1ドル=155円換算)が取引され、2025年の発行額は前年の2倍に拡大したとされる。暗号資産(仮想通貨)保有者の過半数が過去12カ月間にステーブルコインを保有した経験があり、75%以上が銀行やフィンテックアプリで提供されればウォレットを開設すると回答している。

SoFiのAnthony Noto(アンソニー・ノト)CEOは、「SoFiUSDは世界中でより速く、安価で、安全な資金移動を実現する戦略の中核だ」と述べ、マスターカードネットワークでの清算通貨としての採用が、即時決済を可能にすると強調した。

マスターカードのデジタル商業化部門責任者Sherri Haymond(シェリー・ヘイモンド)氏も、「規制されたステーブルコインをグローバル規模で活用できるようにする」と述べ、信頼性とセキュリティを備えたネットワークとの統合が選択肢の拡大につながるとした。

デジタル通貨とカード決済の融合

今回の取り組みは、伝統的なカード決済インフラとブロックチェーン基盤の接続をさらに進めるものだ。SoFiUSDは銀行グレードのインフラに裏打ちされたデジタルドルとして、既存の決済ネットワーク内で活用される。

今後、両社は規制要件やマスターカードのネットワークルールに基づき、ステーブルコイン対応カードプログラムや国際送金・支払い分野での活用拡大を検討していく方針だ。

|文・編集:Shoko Galaviz
|画像:Shutterstock

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